瑕疵(かし)とは、ある物に対し一般的に備わっていて当然の機能が備わっていないこと。あるべき品質や性能が欠如していること。
売買契約において、買主が売主から目的物の引渡しを受けたものの、目的物に隠れた瑕疵があったことが判明した場合、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約の目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この条件を満たさないときは、損害賠償請求のみをすることができる(570条、566条)。これを売主の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)という。
ここにいう隠れた瑕疵とは、買主が通常の注意を払っても知り得ない瑕疵を指す。売主が知らせない場合で、普通に注意を払っておいても気付かないようなものがこれに当たるが、売主自身も知らなかったものも含む。例えば、住宅であれば表面に現れていないシロアリ被害や雨漏りなどはこれに該当する。隠れた瑕疵に当たるためには、【1】一般人が通常の注意を払っても知り得ない瑕疵であることと、【2】買主が善意・無過失であることが必要である
事実か確認できなくても、マイナスな面を聞いてしまったらお伝えしなければなりません。
不動産の物理的欠陥以外の瑕疵に焦点を当てます。
つまり自殺や殺人といった事件事故や暴力団事務所の存在などの心理的瑕疵についてです。
告知義務や瑕疵担保責任に関して、これといった明確な基準がないため様々なウワサがあるようです。
一度誰かが住めば告知しなくていい?5年以上経ったら問題ない??知らなかったことにすれば責任にならない???
誰の話が本当なのでしょうか?
この際、無責任なウワサ話は一旦忘れましょう。あくまでも噂です
個別の紛争事例に一般論で答えることはできないですが、ここでは実際の判決の一部をあげてみたいと思います。
自殺の不告知に関する紛争
「売買の目的物に暇疵があるとは、その物が通常保有する性質を欠いていることをいい、目的物が通常有すべき設備を有しない等の物理的欠陥がある場合だけでなく、目的物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景等に起因する心理的欠陥がある場合も含まれる。」
土地上にかつて存在していた建物内での殺人事件に関する紛争
「本件殺人事件は新聞にも報道されており、約8年以上前に発生したものとはいえ、付近住民の記憶に少なからず残っているものと推測され、本件土地の側の購入を一旦決めた者がその購入を見合わせたことなどの事情に照らせば、本件土地には、その上に建築された建物の居住者が、住み心地が良くなく、居住の用に適さないと感じることに合理性があると認められる程度の、嫌悪すべき心理的な欠陥がなお存在するというべきである。」
自殺後約6年11月経過後の売買契約でも契約解除が認められた。
物置での自殺行為があり、亡くなったのは病院の場合でも瑕疵と認定された。
瑕疵担保責任の免責特約付売買契約でも特約の予想しないものとして、売主は瑕疵担保責任を負うとされた。
暴力団事務所が交差点を隔てた対角線の位置に存在することは土地の売買において、隠れたる暇疵にあたると認定された。
いつも上記のような判決になるとは限りませんが、やはり高く売るために嘘をついたり隠したりすれば紛争は避けられません。
【結論】
売主としては告知する義務はあると認識すべきです。
また買主への伝え方も口頭で簡単に言うだけでなく、誠意を持って望み、書面によって説明義務を果たした証拠を残す必要があります。
※弊社買取後でも利害関係の第三者へ説明義務がありますが、お客様のプライバシーは厳守されますのでご安心ください。