1877年の横浜元町の三丁目で石川孫右衛門が日本人初の貸自転車業を開業しました。
門が居留地31番地のチリドル商会を通りかかったときに
館主チリドルが自転車に乗っているのを見かけ、自転車を
見ていた孫右衛門にチリドルはこう話しかけたそうです。
「自転車は、汽車の次に早い乗り物で、練習すればどんな
狭い道でも走ることができる便利なものだ」と・・・。
西洋の各国では盛んに使っている自転車を借りた孫右衛門は30 分ほどで
乗れるようになり、その帰り道に「自転車は確かに便利だが、一台で銀16 枚と
いう高い値段では誰でも手に入れられる物ではない。この自転車を仕入れて、
時間貸しすれば大儲けできるのではないか。」と考えたそうです。
乗り方をチリドルに教わり、チリドル商会に自転車を注文しました。
この当時の自転車は借りるのにも高値で1時間25銭(当時、鰻重は
20銭ほど)にもかかわらず貸自転車は不足するほど大繁盛でした。
孫右衛門も「仏蘭西商館」から1887年に自転車を20台購入し貸し出しを
始めたところ大好評でした。
また、孫右衛門は住吉町6丁目に石川商会を設立し、1912年まで営業していました。
今では観光地やそれ以外でもレンタサイクルは当たり前のようにありますが、
約130年前にこのシステムを考え出した石川孫右衛門はすごいと思います。
約130年後の2140年に何が求められる時代になっているのでしょうか。
その時代を見ることは出来ませんが、かなり気になるところです。