相隣関係でトラブルが起った場合、建築行政を担当しているところへよく相談がもち込まれますが、これは、一般に市役所などの行政側で取扱えない問題であり、お互いの話し合いによるか、または、裁判などにより解決しなければならない問題です。
例をあげます、民法では、次のようなものがあります、ぜひ知っておいてください。
- 土地の所有者は、建物を建てたり、修繕したりする場合に必要な範囲内において、一時的に隣地の使用を請求できます。
ただし、原則として相手の了解を得る必要があります。 - 建物を建てる場合には、隣地境界線から50センチメートル以上離さなければなりません。しかし、これと異なる慣習があればこれに従うこととされています。
- 隣地境界線より1メートル未満のところに他人の宅地を見渡せる窓や縁側を設ける場合は、目隠しをしなければなりません。
- 土地の所有者は、雨水が直接隣地へ注ぐような屋根その他の工作物を設けてはいけないことになっています。
- 井戸や下水溜を掘る場合は、隣地境界線から2メートル以上、池や便槽を設けるため穴を掘る場合は、1メートル以上離さなければならないことになっています。
- 土地の所有者は、隣地の所有者と共同で境界明示杭、塀を設けることができることとされています。
以上、市役所などで取扱う建築基準法その他の行政法規とは別の民法上の問題を若干例示してみましたが、これら民法で定められた事項は、相手方との話し合いにより了解が得られれば、規定と異なることもできますので、建物を新築、増築、改築するとき、または隣との境に塀をつくるときなどは隣地所有者とよく話し合って決めることが大切です。
お互いさまなのですから・・・・・