以前、私が在籍していた会社では、小規模でありながらも分譲マンション並の「セキュリティーマンション」を売りのひとつとしていました。
外には24時間赤外線が走り、不審者の侵入には警報が鳴り、分譲マンション並み?のエントランスを設け、人数の認証をして入り、影から認証人数以上の人が入るのを防ぎ、
自分の部屋の玄関ドアに行くと、鍵穴のないカード読み取り式の錠前があり、部屋に入ったらセンサーが働く…というシロモノでした。
これはまさに、「安全性」もさることながら、永遠のテーマ「空室対策」を兼ねたひとつの試みでした……が。
機能した点
1)入居希望者に訴えることができた(犯罪の被害に遭った方もいた)
2)セキュリティー費として賃料に上乗せができた
そうでもない点
1)赤外線の誤報が多すぎて、警報は鳴らないようにセットすることになった
2)人数の認証を誤って入館して警報が鳴っていたが、騒音が高いために警報音を消すことになった
3)入居者は宅配便の配達にいちいちエントランスに取りにいかなければならなくなった
4)玄関が電子錠になったため、内鍵、鍵の紛失などの対応や事故が多発した
5)室内の警報について、入居者は周囲の迷惑を考えて、スイッチをオフにしていることが多かった
6)室内アラームシステムは、自動的に登録された電話番号へ電話がかかる仕組みになっていたが、NTTの固定電話の登録が必要だった。入居者のほとんどが固定電話を設置せずに機能も使われず仕舞…
7)玄関のオートロックは電池式のため、電池が完全に消耗して入室出来ない事態がおきた。また、電池交換時に無理をして断線するケースが多かった
これからの点
1)上記6)の例から、せめて携帯電話に連絡がいくようにするべき
2)防犯能力の強さと、生活の便利さは相反することなので、妥協点を検討するべき
3)実際事件が起こった時の対処を想定しておくべき
先に紹介したマンションでは、当初警報音のスピーカーが外に向いていたため、深夜の警報などで苦情が多発したり、
また、警備会社との連携の悪さから、実際に事件が起きた時の想定がまったく甘かったこともありました。
機械に防犯を任せても完全に防ぐことは出来ません。
ただ、現に毎日のように全国で犯罪は起きていますので、実情に見合った対策をたてるべきでしょう。
あまり、入居者に手間をかけるようなシステムは機能しないこともわかりました。
くわしい話は来店されたときにでも。