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横浜市南区の不動産会社栄都

14条地図と公図の違い

2012年2月7日 火曜日

14条地図とは不動産登記法14条1項で定める正確な地図のこと。

1951年から各市町村が行っている地籍調査などを基につくられていて、緯度や経度などが基準なので災害などで土地が崩壊してもこの地図があれば元の境界を復元できるとされています(境界復元能力)。

つまり、土地の境界と位置を確定するのに最も正確で信頼できる図面、ということになります。

が、残念ながら全ての土地に対してあるわけではなく、整備状況は現在進行中といったところです。

これに対して公図は、素人目には14条地図によく似ているのですが、決定的な違いがあります。

公図で土地の確定はできません。形や大きさや位置は不正確です。隣地関係(隣の地番は何番か)だけがわかるくらいの正確さと思って頂いた方がいいかと思います。

法律的には「地図に順ずる図面」とされていて、14条地図ができあがるまでの代用とされています。

公図で注意しなければならないのは、古いものは隣地関係でさえ間違っている場合がありますので、14条地図がない場合は公図や地籍測量図等を元にして境界の確認は別途必要になります。
14条地図、公図は共に境界の辺の寸法や、地籍(=面積)などは載っていません。
これらは地籍測量図で確認する事になります。                                       

国土交通省が「都市部における公図と現況のずれ」を公表しています。

これによると、公図と現況のずれが1m以上10m未満の「大きなずれのある地域」が平成18年時点で調査地域の49.8%を占めているそうです。

その事からも仮に隣地問題等で公図を基にして境界などを争うのは非常に危険だと言えます。

最終的には土地家屋調査士など専門家の方に相談するのが得策だと思います。