ここ横浜は港があったことでいろいろな物産が西洋から上陸した場所でもありました。
ハイカラとか舶来という言い方は日本製のものよりもゴージャスだぞ、という意味も含んで言われていたに違いありません。
今でもおしゃれな雰囲気を演出するために横浜を訪れるかたも多いことでしょう。
脱亜入欧…ちょっと古い言葉ですが、読んで字のごとく、アジアを脱して西洋のものを取り入れよう…という思想が、
古くは明治時代から、具体的には戦後流行しました。
その結果、西洋のものはかっこいい、おしゃれ。日本のものアジアのものはダサい…という流れになりました。
彼氏から「おしゃれなところで食事しようね」と言われて「そば屋」を想像する女の子はいないでしょう。
アパートやマンションも、もともとカタカナだから西洋のものだったんでしょうか。
ま、西洋でいうマンションは、日本のそれと違ってとっても広いのを言うそうですので、
西洋に行って、「ワタシ、日本ではマンション住まいなんで…」と言った時には羨望の眼差しで…てことになることもあります
。
それは置いておいて…。
アパート、マンションに相当するものに、日本には長屋があります。
というより当時日本の庶民の住まいはほとんど長屋でした。
大きな家に住んでいるのは地主か農家…で。
実は長屋という建て方が今でも生き残っているのです。
昔のそれとはもちろん違いますが、建築基準法で長屋は、共同住宅(いわゆるアパート)と区別して残っているのです。
共同住宅を建てるには避難通路を何メートル取れとか、道路に何メートル以上接していること…など、
いろいろな要件があるのですが、その土地がその要件を満たさない場合、長屋であれば貸室を設けることができるのです。
ベンツよりレクサス、フレンチのフルコースより和食、ドレスより着物、ダンスより日本舞踊、オペラより歌舞伎、
チョコレートより和菓子…
長屋も昔のものと違い、どんどん新しいデザインのものが増えてきています。
土地を有効利用できる長屋の将来に期待しています。