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横浜市南区の不動産会社栄都

当たり前すぎて今さら聞けないこと  ~契約~

2012年2月27日 月曜日

お客様からたまに聞く、単語に「本契約」「仮契約」があります。

一方、私たち不動産業者からすると、

「仮」も「本」も無いのですけど。

伺ってみると、仮契約は私たちがいう「契約」で、本契約は私たちがいう「決済(引き渡し)」のようです。

気をつけておかなければいけないのは、契約時に、「仮の契約だもんね」・・・と軽く思ってしまうことです。

契約が締結すれば、もちろんそれをもって契約は有効になります。
ですが、たいていの場合、「ローンの審査が決められた期限内に通らなければ白紙解約ですよ」という条文が載ります。ローンの審査が通らなければ(という自分の意思ではない理由で)契約は無いものになる可能性があるから「仮」と思われるのでしょうね。

先に書きましたように、「契約」であって「仮」ではありませんので、契約書に書いてある約束を守らなければ「違約」となり、契約書に定められた違約金を請求される立場となります。
一方、相手方が契約書に書いてあることを守らなければ、違約金を請求できる立場でもあります。もう、それなりの責任と義務が発生するのです。

ただ、あくまで契約は甲、乙・・・当事者同士のものなので、両者の話し合い(協議)が基本ですが、
仮・・・と思っていると大きなやけどを負いかねませんから注意してくださいね!

原状回復義務における経年劣化の考え方

2012年2月3日 金曜日

経年劣化とは、住宅(クロス・畳・クッションフロア・カーペットなど)は時間の経過と共にその価値が減少するということで、敷金において仮に借主(入居者)が原状回復費用を負担することとなった場合でも、経年劣化を考慮し、価値の減少分まで負担させる必要はないということです。

そして価値の減少分が、「通常損耗(自然損耗)」となるのです。                              

毎月支払っている賃料には「経年劣化、通常損耗(自然損耗)による修繕費用は含まれている」とされていますので、例え故意、過失、善管注意義務違反等で、クロスの張替え費用を全額、借主(入居者)が負担することとなった場合でも、「経年劣化・通常損耗(自然損耗)」分を差し引いた額しか負担する義務はなく、当然、住宅(クロス・フローリングなど)の価値は年々減少していきますので、長く住めば住むほど負担割合も少なくなるのです。

例えば入居後1年で退去した場合と、10年で退去した場合では、当然、価値の減少分「通常損耗(自然損耗)」は大きく異なります。
国土交通省の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドラインによると、
◎入居後(新品のクロス等の場合)4年で退去⇒「約50%の価値減少」
◎入居後(新品のクロス等の場合)10年で退去⇒「約80~100%の価値減少」

となっていますので、例えば入居後(新品のクロス等)4年で退去した場合で、借主(入居者)の故意、過失等でクロスを損耗させてしまった場合でも、クロスの張替え費用全額負担する必要はなく、半額負担でよいと考えられます。

要するに4年で退去した場合、「自然損耗分(価値の減少による修繕費費用等)50%」は、4年間支払った家賃に含まれていると考えられているので、退去時に自然損耗分まで支払う必要はないのです。

自然損耗分については明確な基準がなく、一概に何年住めば、何%が自然損耗分とはハッキリとはいえませんので、自然損耗分について理解したうえで、最終的には貸主(大家さん)、借主(入居者)双方の話し合いによって、妥協点を探していくしかないのです。

中には借主が何も知らないという事で修繕の見積もりを出して全額請求する場合もあるので、借主の立場として予め理解しておくことも大切なことです。

契約書は紙で

2012年1月28日 土曜日

コンピュータが今ほど発達していないときに
「これが普及すると紙がいらなくなる」と言われ、「ペーパーレス社会」という言葉もできました。

なるほど、PCからPCへメールを飛ばせば、紙に書いてファックスしていた分、紙が節約できる…そう思っていました。

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どうですか?みなさんの周り?

ペーパーレスどころか、今はペーパーだらけ。

メールが来たら、それをプリントアウトしてファイルして…、なんてことしてませんか?

実は不動産の契約…契約書はやはり「紙」が登場します。
これは、電子化が難しいのではないでしょうか?

紙がそのまま残っているだけでなく、どんどん増えているような気がします。

お客様が反社会勢力じゃないことや、将来、反社会勢力に譲渡しないことの誓約書や、
契約前の重要事項説明も、以前書きましたように、
言わなくてもわかるような当たり前のことでも、必ず書くようにとお達しが来ます。

「契約する不動産の隣は第三者が所有するところだから将来何が建つかわかりません」…なんて、わざわざ書かないといけないのでしょうかね?

たまたまですけど、火災保険の契約でも、やはり「紙」が多くなっているような気がします。
金融庁のお達しなので…というのが「言いわけ」なようですけど、
彼らの責任逃れのために、私たちの作業が増えるのはどうも気持良くないものです。

ペーパーレスはもはや死語?
あのころに「製紙業」の株を買っておけば…良かった?