区分所有権…つまりマンションの部屋の売買のことをこう言いますが、くわしく見てみると、区分所有といってもいろいろなケースがあります。
土地が借地権だったり、土地と建物と別々の登記だったり、敷地権だったり…。
多くの場合は最後の「敷地権」となっています。
重要事項説明書では、最初の方に出てきます。
「登記簿に記録された事項」という部分ですが、これは登記簿(正確には、全部事項証明書)に書かれていることをそのまま書くことになっています。
そこを見てみると、土地の登記の欄に「敷地権につき建物と一体」と書いてあるかも知れません。
この「敷地権」とは、どういうことでしょう。
マンションを購入すると、その敷地も購入者に「共有持分」として割り当てられます。(たいてい非常に桁数の多い分数になります)
最悪、そのマンションが無くなった場合、1登記者あたりに何㎡ぶん所有権がある、ということです。
都心のマンションでは、敷地一杯に高層のビルを建てるので、もし割り当てがあったとしても、さほどな大きさではないのですが、例えば郊外の団地となると、もともとの土地が広いので、1登記者あたり30坪くらいあったりするものです。
ただ、そう言っても、マンションの場合、区分所有権と土地の持ち分をセットにしないと都合の悪いことが出てきます。
区分所有権は売ったけど、共有持ち分は売りませんよ、というのは…成り立ちませんよね。
ですので、土地の共有持ち分は、建物とセットにして売買することが通例です。
そのことを「敷地権」といいます。
古いマンションでは、いまだに土地と区分所有権と別々のこともあります。
そういう場合、登記を依頼する司法書士に「敷地権」の時より余計にお金を払う事になるでしょう。
「敷地権」と比べて変わるのはそれくらいですが、いらぬお金を払うのは、この場合仕方がありませんが、しっくりきません。
それに、区分所有権だけ登記して、土地の登記を「し忘れる」という事故の可能性も「敷地権」の場合は無くなるので安心・・・ということになります。