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横浜市南区の不動産会社栄都

住民説明会に日本の縮図を見る

2012年1月22日 日曜日

ある一定規模以上の建物を建築する際、事業者は周辺住民に対して住民説明会を開く義務が出てきます。

建築を始めるために、役所から「Go」サインをもらうのに、その議事録が無いとだめなこともありますから。

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以前勤めていた建築会社での話。
計画中のマンションを建てるのに、計4回説明会を行いました。当初は2回の予定でしたが。

初回は、怒号が飛び交いました。
「ここは昔から夏はカギを締めなくても暮らせる地域だった」
「山からの風がゆっくり降りてきて、夏でもエアコンなしで暮せる地域だ」
「プロパンガスの設置は絶対に許さない」
「エアコンの室外機からの熱風がウチに向かないようにしてくれ」
「上から我が家が覗かれるから、建築反対」
「上から覗かれるのは許せないから、総スリガラスにしろ…それに開かないようにしろ」
「この地域は誰がどこに住んでいるのかすぐわかるような所。賃貸住宅にはどんな人が住むかわからないから怖い」
「住民が犯罪を犯したらどう責任取るのか?」
「ゴミの不始末があったら厳しく対応するぞ」
「市役所に親しい人がいるから計画を潰してやる」

まあ、それはそれはすごい勢いでした。

この中で4回目の会合まで残った課題は、

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・窓の位置、ガラスの仕様
・プロパンガスの設置
・エアコンの室外機の置き場
だったでしょうか。

エアコンの室外機の向きについては、
それぞれ「自分の家に向かって吹くこと」は許さないものの、その風向が隣の家に向けばもう文句を言いません。

それに、部屋の窓を全部はめ殺しのスリガラスにしろ…とは。
よく言えるなあ~と驚いたものです。

周辺住民の方々にとって、建築阻止のためにはなんでも言う、ということなのでしょう。

建築が始まると反対運動は急に終息しましたが、
住民の意見をすべて満足することはできなかったものの、建物は完成しました。

その後、内覧会を周辺住民に対して行いましたが、散々ケチを付けられました。
最後の抵抗…ですね。

前にも触れましたが、建築基準法をクリアして建築確認を取得していれば、
事業者は…問題なく建てられるのです。

敵対関係にならずに、お互い理解できないものなのでしょうか。

施設の建設反対!?

2012年1月22日 日曜日

家の近所に障害者を受け入れる施設ができるんだって…と妻から言われたので
「ふ~ん」と対応したら「反対しないと建っちゃうよ!いいの?」と怒られました。

夫としての立場に立つべきか、客観的に反応すべきか迷ってその結果の「ふ~ん」だったのですが。

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自分はいつも建てる側にいたので、住民の反対は…結末が見えていたのです。

住民が反対して建築計画が覆るケースは、
予定している建築物が建築基準法に違反している場合で、法的にクリアしている建物でしたら
建物の規模によりますけど、業者は「規定」の住民説明会を開けば、建てる事に問題はなくなります。

今では、基礎や素材に放射線量を調べよ!と住民が言うかもしれませんね。

それは置いておいて、

建築基準法をクリアした建物かどうかは、素人が見てもわからないでしょう。

簡単にわかる方法があるとしたら、建築確認が取得できているかどうか?ですね。
これまで、いろいろ住民説明会に立ち会ってきましたが、
地域ごとに不思議にも建築や法律に詳しいかたがいるもので…。

そういう偶然はよくある話です…かね?

ああ、でも、商業的に詳しいのか、耳学問的に詳しいのかではまったく違いますけど。

法律的にはこうだ…と確かテレビで弁護士のセンセイが言っていた…って言われても…。

役所が出した建築確認書は、業者にとっては通行手形で、

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それを取得した限り、工事を中止する理由は無くなります。

せっかく住民説明会をするのですから、そこでいい関係がつくれると良いのですが。

不動産の契約書にみる なんとも言えない文言

2012年1月22日 日曜日

不動産の売買でも賃貸でも契約する時にはまず、重要事項説明書で物件の詳細を説明して
それを承知したうえで契約…となるのですが、
10年ちょっと前にはまだ、手書きで対応していたようですね。
今やPCでラクラク作成できますが。

それから何十年も経って、いろいろ文句を言う人がいて、裁判になって、結果、今のような契約書になったのでしょう。
とっても細かいしクドいんです。

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最近の大きな変更はやはり…あの、反社会勢力の方々への対応についての記述が増えたことですね。
「神奈川県暴力団排除条例に基づき、乙は、本物件上に、自己又は第三者をして建築又は設置した建物等を、暴力団事務所として使用してはならないものとします。」

これが契約書に書かれていますし、もしこれに違反すると、すぐ出ていかなくてはならないだけでなく、契約内容によっては敷金などの預けたお金も戻ってこないことにもなります。

おまけに誓約書があるので、かなり厳しくなったし、事務仕事も増えました。これは仕方が無いとして…。

で、何とも言えない文言…ですが、

こんなことが「わざわざ」書き込まれています。

隣は第三者が所有する土地なので、将来どんな建物が建つかわかりません。建物が建った場合、風向、眺望、日照、電波、臭気に変化があるかもしれない(から文句いわないでくださいね)。

ははぁ~、日照、眺望、電波はわかるとしても、風向?臭気?…わざわざ…です。

もうひとつ、

重要事項説明書で説明した法の制限は、説明した今日時点の法なので、将来緩和されたり厳しくなったりすることがある(から文句言わないでくださいね)。

なるほど~、そんなこと言ったらすべての契約事がそういうことになりそうですよね。

契約書の下から二つ目に、契約書に記載されていないことで問題があったら、当事者が誠実に話し合いをしましょうね、
という内容があるので、それに任せたらいいのに…と思うのですが、

あと、契約する時に契約者が「反社会勢力」の人じゃないことを確認することが義務になっていますが、
当たり前のように「そうじゃない」ことを前提にお話ししていますけど…

「そう」なケースが出てきたらどうしましょ?