他人の失敗は蜜の味? というわけではありませんが、失敗から学ぶことはたくさんあります。
不動産仲介という立場から見ると、お客様に意外な傾向があることに気付きました。
不動産の売買を一生に何度もする人は少ないと思いますが、仲介業者は年間に数十という物件の売買を経験するので、どうぞきいていただき同じ轍を踏まないで欲しいと思っています。
自宅を買う場合のよくある失敗
探し始めとして最初に入った不動産屋で最初に案内された物件が気に入ってしまった場合です。
迷うところですよね。価格は射程内、広さもまあまあ、日当りはもうしぶんなし、駅から少し遠いけど通える範囲。どうしよう…決めちゃおうか。たまたま内覧しているときに、もう1組来てたっけ。相手もまあまあ気に入っている様子だったし…。
ここで分かれます。
①もう少し他も見てから決めよう
②もうここに決めよう
あなたはどっちでしょう?
探し始めた最初に見た物件ですよ! たいていの方は①を選びます。
営業が「気に入ったらもう決めましょう、他から申し込みが入ったらせっかくの物件を逃しちゃいますよ」と言うと、疑い深いあなたは、「この営業マンは、そうやって即決させようと急かしている」と思うのです。
残念にも、他の物件を見ている内に、別の人がその物件に申し込みを入れてしまいました。
一応、今から申し込みを入れれば二番手だけれども、一番手のかたのローン審査が通らない場合意外は順番はほとんど回ってきません。
それを聞かされて気落ちしたあなたは、どうなるかというと、その物件に酷似した物件でないと満足できない頭になってしまいます。
私はそれを「物件の亡霊」と呼んでいますが、その亡霊にしばらく悩まされることになり、なかなか決められないか、
少々嫌な部分がある物件でも妥協して買うことになってしまいます。
こうなってしまうと、家に対する愛着もイマイチになってしまうようです。30年ものローンを組んで返していく家が満足できるものでないのは…少々残念な気がします。
私の財布が痛むわけではないのですが、ぜひ直感を信じてください。
意外に直感はあなたに正直なものです。
もう少し他を見てから…の後には、「最初に見た物件がこんなに良ければ、2つ目、3つ目でもっといい物件に出会えるかもしれない」という感覚があります。もちろん次に見た物件で本当にピッタリな物件にあたるケースもありますけどね。
心配性なあなたには方法があります。
購入申込書に法的拘束力は…残念ながらほとんどありません。
Aという不動産業者で申し込みを入れたあと、すぐBという不動産業者で同じ条件で物件を案内してもらうのです。
私自身、Aの立場でお客様を案内したこともあれば、Bの立場になったこともあります。
もし、Bでさっきの物件よりピッタリなのに出会ってしまった場合は、Aにごめんなさい…してください。
申込書を書くには相当の決心はもちろん必要ですが、どうしても迷った場合のみに使ってください。
そして、結論を出した後は他の物件を見ないというのも、購入者にとって精神衛生上いい結果になっているようです。