‘匿名’ カテゴリーのアーカイブ

横浜市南区の不動産会社栄都

適正な修繕積立金とは・・・

2012年6月30日 土曜日

修繕積立金とは、「一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕」「不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕」「敷地及び共用部分等の変更」「建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査」「その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理」と標準管理規約第28条に定義されており、大部分のマンションでこれに準じています。

修繕積立金の金額設定で重要になるのは、長期修繕計画です。

 

国土交通省は、平成20年6月に分譲マンション長期修繕計画の標準様式を初めて作り、「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」として発表しました。

つまり、これ以前は標準様式というものが無いので、分譲会社・管理会社等が独自の様式で作成した長期修繕計画を購入者に提示してきたのです。また、この標準様式で長期修繕計画を作成することは強制されていませんので、マンション毎にその様式を確認する必要もあります。

長期修繕計画というのは、管理組合(購入者の皆さんの団体)が、「定期的な(おおむね5年程度ごとに)見直しをすることが必要」と標準管理規約第32条コメントでされていますので、中古マンションの購入を検討されている場合は、現在の長期修繕計画の作成時期も確認する必要があります。

もし、10年も前の計画が見直されず放置されている場合は要注意ですし、まして計画自体が存在していなければ問題外と言えるでしょう。適正な修繕積立金とは、適正な長期修繕計画において将来的にも資金ショートを起こさない(大規模修繕工事施工時にも一時的な資金不足を招かないような積立計画の)金額設定となっている額です。

しかし、各マンションの建物・設備が多種多様であり、一概に「この金額」と言えないのは管理費と同様です。

各マンションの建物・設備が多種多様であり、積雪寒冷・海岸近くなどの地域特性も考慮しなければならないのですが、参考となるのは、マンション管理標準指針コメントに記載されている (駐車場使用料の繰入含む修繕積立金額)モデル見直し試算です…
「70戸・9階 戸当たり13,585~17,446円/月(m2当たり181~233円/月)」
「30戸・4階 戸当たり11,257~14,467円/月(m2当たり150~193円/月)」
を一つの目安として、これに各マンション独自の特殊な施設・設備分を上乗せして考える方法があります。

参考までに、ご自身の修繕積立金と比較してみてはいかがでしょうか…

不動産登記の9つの権利

2012年6月29日 金曜日

不動産に対して有する権利の代表的なものは所有権です。

所有権は万能の権利なので、その不動産を自分自身で

利用するのはもちろんのこと、他人に貸して収益を得たり

(賃貸など)することもできますし、また必要でなければ

処分(売却など)することもできます。

 

しかし不動産に対して設定、保存ができる権利は所有権だけではありません。

そしてこれらの権利が契約などで発生した場合には、やはり所有権と同じように

登記をしておくことが望まれます。

具体的には以下の9つの権利につき登記をすることが認められています。

◇所有権

不動産を全面的に支配する権利です。

◇地上権

工作物や竹木を所有するために、他人の土地を使用することができる権利です。

◇永小作権

他人の土地で小作料を支払い、耕作又は牧畜をする権利です。もっとも農地改革における買取りの対象になったので、現在はほとんど利用されていないようです。

◇地役権

自分の土地の利便性を高めるために、他人の土地を供しうる権利です。代表的なものとして通行地役権があります。土地がすべて他人の私有地に囲まれているような構造の場合、外に出られないということになってしまいます。このような場合に地役権を設定すれば他人の私有地であるにも関わらず通行することができます。

◇先取特権

ある特殊な債権を有している者に様々な公益的、政策的見地から付与される法定の担保物権です。質権や抵当権のように当事者の合意に基づき発生する担保物権ではなく、ある一定の債権を有していれば法律上当然に発生する点が特徴的です。代表的なものとして給料未払い債権等があります。給料が未払いだと労働者の生活が脅かされます。そこで経営者の他の債権者より優先した地位を先取特権として認めることにより、労働者の安定した生活の確保を目的としています。

◇質権

これも債権の回収を優先的に確保するための担保物権です。方法としては債務者または第三者から物を預かります。もし債務者が債務の返済をしなければ預かった物から他の債権者に先立って債権の回収ができます。

◇抵当権

有名な担保物権です。質権と異なるのはその目的物が不動産に限られること、また目的物の占有を取得するわけではなく、たんに不動産の担保価値を把握するにすぎない点などです。

◇賃借権

これも同じく有名な権利で目的物(ここでは不動産)を使用収益する権利です。

◇採石権

他人の土地で岩石や砂利などを採取する権利です。この権利を登記するときは必ず存続期間を定める必要がある点に他の権利にはない特殊性があります。

以上が、不動産登記に関する権利です。

ちょっと変わった権利・・・占有権!

2012年6月28日 木曜日

占有権とは,物を占有しているだけで認められる物権です。

占有権は奇妙な物権で、登記する制度もなければ原則、取得時効や消滅時効に

かかることもありません。

但し、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失えば消滅します。

それなのに占有権が物権(物を直接・排他的に支配できる権利)とされて

いるのは,社会の秩序を維持するためと位置付けられています。

物を占有している状態=事実上支配している状態を物権として保護しないと,

例えば泥棒(無権利者)が持っている盗品を盗んでも「おとがめなし」と

なってしまい、これでは社会の平穏が保てないということです。

泥棒にも占有権はあるということになります。

泥棒にもあるのが占有権だから、占有権は、自己のためにする意思で

物の所持をすれば,簡単に取得できます。

自己のためにする意思で、物の所持をすれば悪意の占有者でも占有権を取得

できるようになります。

一般常識で考えると、泥棒が盗んだ盗品でも占有権が発生するというのは

おかしな話ですが、民法上では権利が生まれるのです。

勿論、占有権が生まれるだけで所有権が発生するわけではありませんのでご注意を・・・