管理費とは、「管理員人件費」「公租公課」「共用設備の保守維持費及び運転費」
「備品費、通信費その他の事務費」「共用部分等に係る火災保険料その他の損害
保険料」「経常的な補修費」「清掃費、消毒費及びごみ処理費」「委託業務費」
「専門的知識を有する者の活用に要する費用」「地域コミュニティにも配慮した
居住者間のコミュニティ形成に要する費用」「管理組合の運営に要する費用」
「その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用」と標準管理規約第27条に
定義されており、大部分のマンションでこれに準じています。
つまり、毎月各組合員(購入者の皆さん)から徴収した費用で、上記の支出を全て
賄えなければ適正な管理費の徴収額とは言えません。
ところが、多くのマンションで、適正な管理費徴収額とはなっていない実態があります。
「それでは管理費会計は赤字になっているの?」と疑問を持つでしょうが、ここに
マンション販売業者が作った巧妙なカラクリがあります。
そのカラクリとは、駐車場使用料を管理費会計の収入として計上する方法です。
標準管理規約第29条では、「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る
使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。」
となっています。
つまり「駐車場使用料は修繕積立金として積み立て」なければなりませんが、
この標準管理規約というのは、「管理組合が各マンションの実態に応じて、管理規約を
制定、変更する際の参考という位置付け」と国土交通省が解説している事を悪用して、
「分譲会社の販売戦略」=「各マンションの実態」と勝手な解釈を行い、標準とは
異なった各マンションの管理規約に改竄しているのです。
適正な管理費となっているのかを調べるには、予算書(決算書)を見て、管理費会計の
「支出額」=「管理費収入(各戸からの管理費徴収額)」となっているかを確認すると
判り易いでしょう。
私も区分所有者ですが、管理組合の内情を良く見たことはありません。
それではいけないのですが…
これを機に、自分のマンションがどのような会計をしているのかを確認したいと思います。